皮膚常在菌とは
皮膚の表面には、1平方センチ当たり約10の6乗個といわれる菌が、空気中や土中に棲息する菌 群から身を守っています。この皮膚常在菌無しには、皮膚構成は出来ません。ということは、体を守っている重要な器官なのです。飛躍して表現すると、この皮 膚常在菌無しには、生存自体が難しいということになります。
皮膚構造は、外界のさまざまな刺激からからだを守る最前線にあり、そのことを可能にする巧妙な仕組みが組み込まれている。
皮膚は外層の表皮と内層の真皮の2層からなり、その下には疎性結合組織(皮下組織)がある。
表皮はたえず更新され、ふけ、あるいは微細な小片としてはがれ落ちる。この表皮の脱落は表層へと移動する深層の細胞分裂によって補充されるので、表皮の厚 さはほぼ一様に保たれている。しかし、環境変化、あるいは体調などさまざまな要因よって、表皮の形状は変化する。
真皮はフェルト状の結合組織線維からなり、皮革の原料になる。弾力性に富み、皮膚に柔軟性を与えている一方、外傷を受けて皮膚が開くのは、真皮の弾性線 維のためでもある。真皮には、毛包、汗腺、脂腺、各種の神経終末が侵入し、また血液の供給もある。
体温調節に必要な温度センサー(自由神経終末)と汗腺、痛みあるいは外界の様子(触圧覚)を感じる各種の受容器(メルケル盤、ルフィニ小体、マイスナー小体、毛包受容器、パチニ小体、自由神経終末 など)は真皮にある。四肢で歩き、かつヒトに比べより地表に近い場所を生活空問にしている犬の触圧覚の発達は著しく,無数の刺激物から身を守っている。しかし、痛覚の発達はヒトほどでなく、痛みには強い。 |
図のように、人の皮膚と何ら変わりはない。違うのは、皮膚全体に保護毛や被毛で
覆われているくらいなのです。
そのことから考えて、人間の皮膚条件整備と同様に行えば、解決できると予想出来る。 人間の皮膚調整は、外部からの感染に気をつけて、体を守っている皮膚システムを正常化することにあるのです。
皮膚phは、人間と同様にph5となっており、空気中や土壌の雑菌群に犯されないように維持しています。それを炎症部分に強酸性水やイソジン等の雑菌排除 のためだけに処置すれば、有用な皮膚常在菌まで死滅して、皮膚を守れなくなってしまいます。
皮膚表面には、1平方センチ当たり約100万個の菌群が生息して、外敵から身を守っているのです。特に、嫌気性のプロピオニバクテリウムは、皮膚表面に何 らかの原因でトラブルが発生した場合は、自己を守るために「ステロイドホルモン」を産生して、皮膚表面に皮脂を出して皮膚防衛を行っているのです。
皮膚上層部には「スタフィロコッカス・エピテルメデス」を中心とした好気性菌群
皮膚下層部には「プロピオニバクテリウム」を中心とした嫌気性菌群
が大量に棲息して皮膚を、体を守っているのです。このことの考えなくして皮膚調整はできないのです。
当方でお薦めしている皮膚調整材は、「蓬水」「ブルベリックス」<リンク>という水性のローションです。皮膚に油脂系の保湿剤を使用すると、敏感なワンちゃんは、自己で皮脂を出すことが出来なくなるのです。出来るだけ、水性でph4前後のローションを使用することが望ましいと判断しています。(人の皮膚も同様です)
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